精神科薬物治療

精神科薬物治療が変わってきています。
それとともに、必要とされるベッドサイドケアも進化してきました。
一般病棟でも注意したい「うつ」「せん妄」を中心に、“くすりとケア”を解説します。

精神かで主に用いられていた薬は、以前は定型抗精神病薬(クロルプロマジン、ハロペリドールなど)や三還系抗うつ薬(イミプラミンなど)、ベンゾジアゼピン系抗不安薬でした。
しかしここ10数年のあいだに、精神科医療に導入された多くの新しい薬物が、従来の薬剤に変わって使われるようになっています。
以前から用いられていた代表的な薬は、現在でも用いられていますので、効果・使用方法副作用などについての知識は臨床で必要です。

統合失調症の幻覚・妄想・興奮などの精神病状態の治療に用いられた従来の定型抗精神病薬は脳内の受容体に作用します。
これらの薬剤は、急性期の精神症状の鎮静効果は高かったですが、ねむけ・だるさが強く、錐体外路症状が高率に出現しやすいものでした。
このため、服薬に対する患者さんの協力がときに不良で、薬の中断による病気の再発が多かったのです。
これらの欠点を克服するために、非定型抗精神病薬が導入されました。
これらの薬は、脳の中のドパミン受容体だけではなく、セロトニンやそのほかの神経伝導物質の受容体などに広く作用し、自律神経や錐体外路系の副作用が弱いため、我が国でも1990年代半ば頃から広くもちいられるようになりました。
ただ、多くの非定型抗精神病薬は体内の糖代謝に影響するので、糖尿患者には禁止とされています。